お客様から生地の裏表について教えてほしいというお問い合わせがありました。
前回はカンタンにお話しました。→生地の裏表 ①
前回のまとめで結論から言えば好きな方を表として使えばいい
ということでした。(適当すぎ?)
さて今回は詳しい編です。
-----------------------------------------------------------------------
まずはこの生地を見てください。ちなみに8660の綿100ツイルです。
右、左どちらが表か分かりますか?
正解は左です。簡単ですね。
ツイル(綾織)の表側 綾線が左上に向かって伸びています。 |
こちらは裏側。分かりにくいですがこれは綾線が右上に伸びています |
左が耳なのでこの方向がタテです。 |
◇綾線のコト
考えたことありますか?
右上に上がっているとか左上に上がっているとか、言いましたよね。
糸を見てみましょう。
タテ糸を一本取り出してみました。
糸というのはどちらかの方向に撚って出来ています。
つまり反対によれば元の綿の状態に戻るはずなのです。
ふわふわの状態に戻りましたね。この撚ってある方向がポイントです。
S撚り、Z撚り。そんな言い方をします。
右上に線が出るような撚り方がZ 逆がSです。
通常紡績会社は、Z撚りで綿を撚ります。
さてここで先ほどの右上がり、左上がりの話です。
A、Bどちらが表として正しい綾線だと思いますか?
正解はAです。もちろん、企画の時点でBのツイルを作ることも可能ですが
繊維学的には間違いです。
-----------------------------------------------------------------
では、なぜか
普通の単糸はZ撚りです。右上がりです。
Aの糸撚りとは反対の綾線にすることで粘りがあり、強いしなやかな生地になります。
Bの右上がりのツイルにするとサクっとしたボイル生地のような手触りになります。
あえてそのサク感を狙ってZ撚糸使いの右上がり綾を作ることもあるらしいのですが
それは特別ですね。
だから表が右上がりになっているツイルを見つけたら
"ははーん 間違っているか、そういう風合いを狙っているのかどっちなんだろう "
そんなことも思えますね。
ぜひおうちにツイルがあったら見てみてください。ほとんどが左上がりが表になっていると思います。
生地講座 生地の裏表 ② おわり
生地の裏表 ①はこちら
0 件のコメント:
コメントを投稿